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COLMUNコラム

サステナブルコレクション⑥越後妻有の棚田米

サステナブルコレクション

DATE
2021/07/02

今回は、サステナブルコレクションから新潟県・越後妻有の棚田米をご紹介します。

越後妻有は、20年以上にわたり行われているアートトリエンナーレ大地の芸術祭でも知られている土地です。
この辺りは積雪が一晩で、なんと2mを超えるときもあるという(!)日本有数の豪雪地帯で、
過疎高齢化が進んでいる地域なのですが、日本のみならず世界中から多くのアートファンが訪れ、
3年に一度のトリエンナーレ期間のみならず、1年中、里山の至るところにあるアート作品を約200点も楽しめます。

そんな越後妻有の、印象的な風景のひとつに「棚田」があります。
棚田とは、山麓を切り開いて作った、階段状に連なった田んぼのことです。
なんとこの棚田は、400年以上前からあるのだとか!

(「日本の里100選」にも選出されているこちらの星峠の棚田は、
田んぼに水の張った時期には「水鏡」、また雲海が見えることでも有名で、非常に美しい風景です。)

美味しいお米づくりには、キレイで豊富な水が欠かせません。
豪雪地帯ならではの豊富な雪解け水で育つことも、棚田米が美味しい理由のひとつです。

また、棚田はおいしいお米を育てる土壌や、景観地としてだけでなく、
山を支え、川を守り、空気をきれいにし、多くの生きものに住みかを提供する役割も担っています。

いざというときは地下水をためておくプールになり、さらに地滑りなどの災害防止にも役立つそうです。
棚田を守ることが、自然や生き物の命を守ることにも繋がっています。

ただ、急な斜面にあることや、田んぼが機械の入りづらい形をしていることから、
高齢化が進むこの地域では、棚田を維持することが難しく、放棄してしまうことも増えていました。

越後妻有のみなさんは、この美しい棚田のある風景を後世にも残し続けるために
まつだい棚田バンク」という取り組みも行っています。

「まつだい棚田バンク」は、越後妻有以外の地域に住んでいる人たちがオーナーとなり、
年に数回、田植えや稲刈りで集まって交流を深めつつ、出来上がったお米を自宅に送ってもらうというもの。
遠くに住んでいながらも、棚田を守る仕組みに参加することができます。

CRAZY KITCHENでは、自分の好きなおかずを、棚田米と一緒に食べる「手織り寿司」や、
お母さんたちが地元の料理を具材におむすびを作ってくれる「おむすびBAR」など、
交流会でお出しする料理を、地元のお母さんたちと一緒に作り提供してきました。

家族や企業の同僚が、棚田バンクのオーナーとして何年にもわたりこの活動に参加しているのは、
棚田で育ったお米が美味しいのはもちろんのこと、田植えや稲刈りなどのイベントをきっかけに年に数回、
様々な地域から親戚のように集まることの楽しさや、地元の人たちとの触れ合いが大きいような気がします。

棚田の維持を行ったり、豪雪の時期にはアート作品の雪下ろしを行うなど、この町の文化を守っているのは、
この地域に昔から住んでいる方々をはじめ、地元サポーターや「こへび隊」というボランティアのみなさん、
女子サッカーチーム「FC越後妻有」のみなさんです。
(「FC越後妻有」は、女子サッカー選手が棚田の担い手として移住・就農し、プレーする農業実業団チームです。)

昔からこの地域で農業をされているみなさんは、参加者から「せんせい」と呼ばれています。
普段、農業をしていない私たちでは、泥の中を歩くだけでも精一杯!
膝のあたりまで泥がある深い場所もあったり、田んぼへ向かう道も狭く急な斜面だったりするのですが、
せんせいたちはスイスイと歩いて行き、田植えも稲刈りも、私たちが右往左往している間にどんどん進めて行きます…!

私たちは2年ほど田植えや稲刈りに参加したのですが、そんなせんせいたちの技を見て、
教えてもらいながら毎年作業が少しずつ早くなることが嬉しく、
また、地元の方たちとのお話をする楽しみもありました。

慣れない田植えに泥だらけになりながらも、作業が終わったら
棚田を眺めながら地元の食材をたっぷりと使った美味しいお弁当を食べたり、
山に生えている植物をせんせいたちに教わったりと、楽しい時間はいま思い出しても嬉しいもの。
棚田米を食べる度に、この時のことを思い出して特別に感じます。

コロナで昨年からイベントは開催されず、私たちも地元のみなさんにお会いすることが出来ず寂しいのですが、
また棚田の下で会える日を心待ちにしています。

越後妻有の素敵な風景と、美味しいお米の味をお届けするために、シェフが作るのは、
ブッフェタイプが「越後妻有の棚田米とFisherman japanの銀鮭のバターライス」。

デリバリータイプが「越後妻有の棚田米とFisherman japanの銀鮭の手まり寿司」です。

どちらも前回ご紹介したFisherman japanの銀鮭と合わせています。
なんだかホッとするような味に感じるのは、棚田を守るみなさんの笑顔が浮かぶからかもしれません。

みなさんも口にする際は、棚田の風景を思い浮かべていただけたら嬉しいです。
コロナがおさまったら是非、越後妻有にも遊びに行ってみてくださいね!

次回はイノシシのお話をご紹介します。お楽しみに!