COLMUNコラム
サステナブルコレクション⑧アマゾンカカオ
- DATE
- 2021/07/22
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サステナブルコレクションに使用している食材のご紹介、最後にご紹介するのは「アマゾンカカオ」です。
このアマゾンカカオは、イタリアやスペイン、ペルーで修行を重ねた料理人・太田哲雄さんが、
アマゾンを旅した際に出会い、独自のルートを確立したカカオです。
アマゾンの中には「カカオ村」と呼ばれる村があり、
そこに住む住人たちが、無農薬でこまめに手入れをしながら栽培しているのがアマゾンカカオだそう。
太田シェフがその地でアマゾンカカオを食べた際に、その美味しさに心を動かされたそうです。
しかし、村人たちの生活は経済的に潤ってはいませんでした。
カカオは高値で取引されるものの、生産地と消費国との間には距離があり、
生産地にフェアな金額が支払われていないケースもあるそうです。
「消費国ではチョコレートが高額で売られているのに、カカオ生産国はなぜこんなに貧しいのか。」
チョコレートとカカオが切り離されているように感じたことから、太田シェフは個人的にカカオを購入して日本に持ち帰り、
レストランやシェフに現地の状況を伝えながら、アマゾンカカオという素材の魅力を紹介するなど、
独自のルートでカカオ村の生産者との公平な取引を目指す、フェアトレードを開始したそうです。
アマゾンカカオは、フルーティーで果実味や甘酸っぱさを強く感じます。
(私が初めて食べた時は、今まで食べたことのあるカカオを使った一品と印象が全く違うことに、目を見開いて驚きました!)
太田シェフは、アマゾンカカオの持つ素材の美味しさを伝えるために、
チョコレートにとどまらないカカオの使い方を広めており、
食材のひとつとしてアマゾンカカオを扱い、デザートのみならず料理にも使っているそうです。
また、アマゾンカカオをミルクなどと合わせて調理するのではなく、
水と合わせて素材をダイレクトに伝える使い方もされています。
それは生産者である村人たちが、食材をシンプルに調理し味わっている姿を見たことに感銘を受け、
そこから素材の持つ魅力を、真っ直ぐに伝える調理法を選んでいるそうです。
現地でチョコレートを作って送ることは、技術的にも設備を整えるなど経済的な面からも難しいことなのだそうですが、
太田シェフはあえてカカオを、豆を丸ごと送るのではなく、カカオニブなどに分けた状態にして送っていただいているそうです。
ただ食材を輸入しているのではなく、現地の人が生産から加工にも携わることが出来るようになり、
利益を公平に受け取ることができる関係性と、生産国の未来までも大切にしています。
(太田シェフは、アマゾンカカオの輸出の際に必要な金属探知機などの機材を、
現地に導入できるように様々なプロジェクトを立ち上げることもされています。)
こういった太田シェフの取り組みに共感した日本のレストランやシェフたちが、
このアマゾンカカオを使用して、たくさんのメニューを生み出しています。
弊社シェフの武本もそのひとり。
「アマゾンカカオのもつ美味しさが伝わるように、合わせる食材のバランスを考え、
またパーティーにいらっしゃる様々なお客様に愛されるよう、デザートとして提供しよう!」
と考えたのが「アマゾンカカオのテリーヌ」です。
こちらをサステナブルコレクションでご用意しました。
滑らかな口当たりと、鼻の奥にまで広がるカカオの香り、そしてアマゾンカカオならではの甘酸っぱい果実味溢れる味わい。
一度食べたら忘れられない味かと思います。
太田シェフのアマゾンカカオにかける熱い想いと共に、この美味しさを楽しんでいただければと思います。
さて、今回でサステナブルコレクションの食材紹介は最終回となります。
お読みいただき、ありがとうございました!
何かの機会に、皆さまとサステナブルコレクションを通じてお会いできましたら幸せです。
今後も新たなサステナブル食材と出会い、
新たなメニューをコレクションの一品として追加していければと思っています。
その際はまたこちらでご紹介していきますね!