COLMUNコラム
サステナブルコレクション 食材紹介③シロチョウザメ
- DATE
- 2021/06/03
SHARE
食材紹介の第3回目となる今回は、「シロチョウザメ」についてお話したいと思います。
サメ、というワードを聞くと、「臭いんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。
実は私がそうでした…。
初めて食べる機会には、恐る恐る口に運んだのですが、想像していたような臭いは全くなく、
フグのような上品な味わいの白身のお魚で、身がぎっしり詰まっていて「これは美味しい!」と驚いたものです。
実はシロチョウザメは、フカヒレが取れるサメとは全く違う品種だそうです。
チョウザメという名前は、硬いウロコが蝶の形をしていることと、
サメに形が似ている事に由来しているそうで、
サメとは体内構造も異なるので、魚肉にアンモニア臭がないそうなのです。
なぜシロチョウザメがサステナブル食材なのかというと、シロチョウザメの卵、つまりキャビアに理由があります。
キャビアは高級食材として知られていますが、その価値を巡りシロチョウザメの乱獲が続き、
シロチョウザメは絶滅が危惧されています。
2006年にはワシントン条約によりキャビアの国際取引が禁止されました。
それにより、シロチョウザメの養殖を試みる国も出てきたのですが、
日本でもシロチョウザメの養殖が行われています。
その代表となる地域が、日本一の生産量を誇る宮崎県です。
宮崎県は弊社シェフの武本の出身地でもあることから、
シロチョウザメの卸を行なっている九州築地さんを通じて、
養殖の現場を見学してきたそうです。
その際に生産者から九州築地さんへ、
「キャビアの需要は高いものの、身はカマボコの原料として少し売れるくらいで
大量に残ってしまうので、廃棄処分している。なんとかならないものか」という
相談がいっていることを知りました。
日本ではあまり食用として認知されていないチョウザメの魚肉ですが、
古くから食材として利用されており、ヨーロッパや中国では、
時の王様や皇帝に食されてきたという歴史もある高級魚。
先にお話したように本当に美味しい食材なので、
武本もたくさんの方に召し上がっていただきたいと、
サステナブルコレクションに定番メニューとして入れることを決意しました。
淡白なお味で、お刺身で食べるのはもちろん、様々な調理に向いている食材なのですが、
サステナブルコレクションの中では「シロチョウザメのカダイフ揚げ」としてご用意しています。
カダイフというのはトルコの食材で、極細の麺状の生地です。
シロチョウザメの身をこのカダイフでくるりと巻いて揚げると、
サクサクーッ!とした衣の中から、加熱して少しプリッとした上品なシロチョウザメの身が現れます。
ほんの少し、レモンの酸味が効いたクリームソースを搾っているのですが、
それがまた爽やかな風味を口の中に残してくれるのです。
「サメという名前が付くことで、お客様に抵抗感を感じさせてしまうことがあるかもしれない。
けれど口にすればきっと美味しいと感じてくれるはずだから、
好きな人の多い揚げ物にして、シロチョウザメを知ってもらおう!」と
いう考えから武本が生み出した自慢の一品です。
カダイフ揚げは、シロチョウザメを使ったレシピの中でも弊社スタッフに大人気のメニューです。
口にする機会があれば、ぜひ楽しみに召し上がってくださいね!
次回のサステナブル食材は「ダチョウ」をご紹介したいと思います。お楽しみに!