CRAZY KITCHEN

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COLMUNコラム

サステナブルコレクション⑦イノシシ

サステナブルコレクション

DATE
2021/07/12

今回のサステナブルな食材はイノシシです。

野生害獣による農作物への被害は、ニュースなどで目にする機会も多いかと思います。

以前、宮城県・石巻市で、猟師の方のシカ狩猟に同行させていただいた際のコラム、
「生き物」と「食べ物」の境界線にも書かせていただきましたが、

農林水産省のホームページによると、
野生害獣による農作物への被害額はおよそ158億円。
6年連続で減少傾向にあるものの、被害金額は依然として高い水準にあり、
そのうちの6割が獣類、4割が鳥類によるものとのこと。
(獣類では9割がイノシシ、シカ、サルによるものだそうです。)

一言でイノシシやシカが増えている理由を言うことは難しいですが、

繁殖力が強いイノシシやシカに対し、天敵であったニホンオオカミが絶滅してしまったこと。
ハンターが高齢化し非常に少なくなってしまった為、狩猟される害獣が減っていること。
積雪量が減った為、害獣の死亡率が低くなっていること。

などが挙げられます。

数十年かけて育つスギやヒノキなどの樹皮を食べられたことで商品にならず、林業を続けることが厳しくなったり、
育てている作物が収穫期に害獣に食べられてしまうなどの被害が増え続けることで、
生産者の気力を削ぎ、廃業にも繋がってしまうこともあるそうです。

国もこういった害獣被害をなくすために、様々な策を行っているものの、
ハンターの数が増えなかったりと、なかなか解決までには至っていない現状があります。

(前述したシカ狩猟に同行した際には、捕獲したシカの体にスプレーで番号を書き、写真を撮って提出するなど、
狩猟に関して国によるルールが細かく定められていることに驚いたのを覚えています。)

また、牛などの家畜が地球上でどんどん増えている一方、
主に都心の生活の中では、家庭でイノシシなどを捌いて食べることはほとんどなく、
ジビエに対して臭いなどネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。
また、ハンターのみならず、害獣をさばき流通させる人も少ない為、一般市場に出回らないことなどから、
狩猟した害獣を廃棄(土地に穴を開け、埋める場所が用意されているそうです)するしかないのだそうです。
食用として流通されるのは、狩猟された中でも1割程度です。

イノシシなどが害獣として増え続ける背景には、人間の営みが少なからず影響を及ぼしていることは確かです。
人間の生活に悪影響があることは分かりつつも、狩猟した後に廃棄している事実には、心が痛くなります。

サステナブルコレクションで提供するイノシシ肉は、
「生命を廃棄するのではなく、美味しく食べてもらえるように」と活動をされている方々から
送っていただくものを使用しています。

サステナブルコレクションでは、
シンプルにローストして、旬のお野菜を添えた「イノシシのグリル」をご用意しています。
赤ワインのソースがイノシシの味わいによく合う、人気の一品です。
獣臭さはなく、甘みのある脂など、イノシシの持つ美味しさを楽しんでいただけるかと思います。

私たちにできることは、小さなことかもしれませんが、
少しでも多くの皆さんに、食材の美味しさを伝えていけるように、お客さまの元へお届けしていきたいと思っています。

次回はサステナブルコレクションの食材紹介も最後!
ペルーから届くアマゾンカカオについてお話します。お楽しみに!